【臨床検査科】2学年 血液検査学実習〈赤血球浸透圧抵抗試験〉
2学年の血液検査学の実習風景を紹介します。
今回は“赤血球浸透圧抵抗試験”という実習で、生理食塩水よりNaCl濃度が低い溶液中での赤血球の抵抗性をみる検査です。
ヒトの赤血球は中央部がくぼんだ円盤状の形態と柔軟性のある細胞で、生体内では壊れることなく酸素を運搬しています。その赤血球が何かの原因で壊れることでおこる貧血を“溶血性貧血”といい、本日の実習はその原因を調べる検査の1つです。
①試験管に低張なNaCl溶液(0.5%~0.28%(0.02%刻み))を分注しておきます。
②各試験管に血液を1滴ずつ加え、軽く転倒混和して室温に清置します。
③2時間後、赤血球の壊れる(溶血)程度を判定します。
④判定は試験管の上清と試験管の底を観察し↛↛《環境依存文字》 )の上清は無色透明なので溶血していません。
①(⇑)の上清は無色透明なので溶血していません。
②(⇑)の上清は僅かに赤くなって、試験管の底に赤血球が沈殿しています。溶血開始点です。
③(⇑)の上清は透明で赤く、試験管の底にも赤血球はありません。完全溶血点です。
⑤結果 正常の溶血開始点は0.42%~0.40%です。
最小抵抗(溶血開始)0.48% 最大抵抗(完全溶血)0.34%
実習では“軽度抵抗性が減弱”となりました。