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≪鍼灸科≫ 押して、もんで、セルフdeツボ療法(39)

≪鍼灸科≫ 「豊隆」   「陰陵泉

こんにちは!

3月になりましたが、まだまだ寒いですね。

本校では先月末の土日2日間に渡って行われた第30回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験も終わり、
ほっと一段落といったところです。全員3免許とも合格していますように!!

 

ところでどんな試験か気になる方いませんか?

今年の国家試験問題を一つ取り上げて見てみましょう!

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問題142次の文で示す病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。

「43歳の女性。主訴は膝の痛み。1週間雨天が続き、症状が増悪している。昨日てんぷらを食べてから軟便である。舌は膩苔、脈は滑を認める。」

1.逆気を降ろす。

2.血をめぐらせる。

3.気血を補う。

4.痰湿を除く。

    

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症例問題です。難易度はそれなりです。

主訴=一番治療して欲しい症状は膝の痛みですが、その後東洋医学的に大事な情報が並んでいます。

東洋医学的な解説をしていきましょう!

 

まず、「雨天で症状が悪化する」のは、体内の水分代謝が悪くなり、
余分な水が停滞していることにより起こります。低気圧で体の外からかかる圧力が低下しているので、
浮腫みが出ているイメージです。

次に「てんぷらを食べてから軟便」となっているのは消化に関係する臓腑が弱っていることを示します。
油っぽいと胃に負担になりますよね。

舌は「膩苔」(ジタイまたはニタイと読みます)ですが、これは舌の表面にある苔のようなものが
ベトベトしている事を指します。これも水分代謝が悪くなっていることを示します。

脈の形が「」というのは手首の脈に指をあてた時、コロコロと球を転がすような形に触れる状態を指しますが、
これは水分代謝が悪くなっている場合または体に熱がこもっているときにみられます。

また東洋医学では体内の余分な水分を代謝するのに消化に関係する臓腑が深くかかわっているとされます。

 

まとめると

消化に関係する臓腑が弱っているため、余分な水分が身体下部に溜まっており、
このための気血の巡りが悪くなって膝の痛み」が生じていると解釈します。

ということで正解は「4.痰湿を除く。」となります。※痰湿は体内の余分な水分を指します。

国家試験と言ってもヒントが沢山散りばめられているので、意外と簡単だったりします!

 

こういう場合は膝に直接治療をしても一時的に膝周囲の気血の流れが改善されるだけで何度でも再発するため、
余分な水分を代謝できるように消化に関係する臓腑に影響を与える経絡のツボを刺激する方法を取ります。

 

例えば、膝と足首の中間にある「豊隆」(足の陽明胃経)とか「陰陵泉」足の太陰脾経)になります。
気持ち良い程度の強さで揉んだり、耐熱性のペットボトルにお湯を入れてタオルで包んで温めてみるなどしてみて下さい。
何度か繰り返すと徐々に膝の痛みが改善されると思います。


詳しいツボの位置は↓↓↓に。では~!