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ちょっと難しい関数の話 第3回 フーリエ級数展開

実は,有限区間[-T/2, T/2]上で定義された超関数f(x)は三角関数の重ね合わせとして表現できる(フーリエ級数展開):

診療放射線技師になるための勉強では,特にディジタル画像の取り扱いにおいて,このフーリエ級数展開を多用する.

例えば,前回紹介した階段関数θ(x)を[-π, π]上で定義されたものとしてフーリエ級数展開すると次のようになる:

この右辺を真面目に考えると,x = 0において∑の各項は全て0であるため,θ(0) = 1/2であることがわかる.したがって,フーリエ級数展開の式における=は「超関数として等しい」という意味である.超関数であるから,積分に影響が出ない限り1箇所や2箇所の違いがあっても同じ超関数とみなせるのである.

もうひとつ重要な点は,フーリエ級数展開の式を全実数上で定義された超関数とみなすと,[-π, π]上のθ(x)を周期的に拡張したものになるということである.

アイキャッチ画像はフーリエの肖像画.